今すぐ使える工具の知識

工具のことがよくわからない。
どの工具がいいのか教えて欲しいという質問をよく受けます。
実際に工具を使っていても実はよく知らないで使っている人が多いのも事実です。

そんな工具の初心者に向けてわかりやすく解説していきましょう。
そして、今日から使える工具の知識を広めましょう。

工具を語るには先ずはボルトからです。
工具を選ぶにはそれを使う対象をしっかり理解する必要があるのです。

ボルトにはミリとインチというサイズがあるのはなぜ?

ネジ
ミリねじとインチねじのどちらが先にできたか?
それはインチねじです。
インチねじはイギリスのBS規格(ブリティッシュ規格)が1882年に広まったものです。
ウィットねじ」規格といいます。呼び(表記)はWが付きます。
(W3/8)イギリスやアメリカで多く使われています。

ミリねじは本来はミリではなくメートルネジです。
1894年にフランスで規格されました。
1947年に国際標準化機構、ISOにより、「ISOメートルネジ」という規格となりました。
フランス、ドイツ、日本で使われています。
日本では1949年にJIS規格として標準化されました。呼び(表記)はMが付きます。(M10)

ボルトサイズについてボルト

ボルトサイズはネジ山の直径のサイズのことです。M10ならネジの部分の直径が10mmのボルトということです。
ボルトのアタマのサイズが10mmではないので注意しましょう。
ボルトの頭のサイズは二面幅寸法と言います。M10の標準ボルトなら17mmです。

17mmのメガネとよくいいますが本来は二面幅17mmのメガネということです。
使う工具の寸法であり、メガネレンチやスパナ・ソケットのサイズがこれにあたります。
ネジのピッチやボルトの二面幅のサイズ、ネジ山の角度はJIS規格で決まっています。

インチサイズについて

1インチは25.4mmです。W3/8というサイズの場合は3/8インチのことで1×3/8インチです。25.4×3/8=9.525mm、およそ9.5mmですね。
M10とW3/8のボルトは10mmと9.5mmでサイズを間違えやすいので注意しましょう。

ネジのピッチが違うのでW3/8のボルトに間違えてM10のナットをつけようとすると途中でナットがカジってしまいますよ。
注意しましょう。

自動車用のボルトと産業用のボルトのサイズはなぜ違うの?

日本ではメートルネジが多くが使われています。
産業用のボルトは標準六角ボルトが使われています。
二面幅で8mm(M5)、10mm(M6)、13mm(M8)、17mm(M10)、19mm(M12)、24mm(M16)あたりがよく使用されます。

自動車用のボルトは小径六角ボルトと言われ、エンジンルームなどの狭いスペースでは二面幅の小さいボルトが有効のため自動車専用に作られたボルトです。
二面幅は8mm(M5)、10mm(M6)、12mm(M8)、14mm(M10)、17mm(M12)、19mm(M14)あたりがよく使われるサイズです。

ネジにはどんな種類があるの?

産業用の標準六角ボルトをはじめ、自動車用の小径六角ボルトや六角穴付きボルトはよく見かけるボルトですよね。
近年増えつつあるのがトルクスというボルトです。
T型トルクスとE型トルクス、イジリ止めトルクスがあります。

トルクスとはアメリカのCamcar社が開発した規格でボルトのアタマが星型の曲線でできているのが特徴です。

プラスのビスと違いカムアウトがありません。
(カムアウトとはドライバーを回す時にビスから外れることです)トルクスという名前はアメリカのアキュメント者の商標登録であるため一般的には「ヘックスローブ」になります。
意味は6つの耳たぶです。
自動車産業をはじめ多くの産業機械に幅広く使われています。

イジリ止めトルクスはT型トルクスの中央にポッチがついているもので、いたずら防止のためT型トルクスレンチは入らなくなっています。
イジリ止めトルクスはあまり見かけませんが、都市ガスのガスメーターのメーターカバーに取り付けられたりしていますね。

ソケットレンチの6角ソケットと12角ソケット!どっちがいい?

Nパワーフィット
6角ソケットのメリットはボルトがナメづらいところと言われていますが、12角ソケットはナメやすいのでしょうか?
サビついたボルトではやはり12角ソケットの方がナメやすいのは事実です。

ですが、KTCやKo-kenのソケットはJIS規格のボルトとソケットの二面幅の公差を基準公差の狭い範囲で設定にしているので、ナメることはありません。
ですから12角ソケットがナメやすいというのは何年、何十年も前のソケットのことで、今では6角ソケットと同じと考えていいでしょう。

では12角ソケットのメリットはボルトにソケットを入れやすいことです。
ボルトにアクセスしやすいといいますね。六角ソケットの場合は60°回さないとボルトに入りませんが、12角ソケットなら30°回せばボルトに差し込むことができますね。

その差は2倍の30°は大きく、作業性に影響します。
メガネレンチやコンビネーションレンチなどは12角のものがほとんどですよね。そのことからも12角の方が作業性がよくオススメです。

100円均一で売っている工具は使えるの?

100円ショップで売っている工具は正直言って使えます。
100円ショップの工具だからといってボルトがナメてしまうわけではありません。
ただスパナやメガネ、ソケット、ドライバーにしても、ものによって誤差が大きいようですね。

例えば二面幅17mmメガネレンチを選ぶとき、17mm(M10)のボルトに差し込んだ時にがたが多いものも少しあります。
メーカー工具と違い品質検査はされていないでしょうから、個体差が大きいのでしょう。
100円ショップでの工具の賢い選び方は実際に試してみることです。スパナを選ぶのであればそのサイズのナットやボルトで試してみましょう。

ドライバーはほとんど個体差はなく大丈夫だと思います。
オススメできないのは150mmのモンキーレンチ、100円で売っていること自体が信じられませんが、サイズを調整するウォームギアと下アゴのガタが大きすぎてボルトにきっちり噛ませても滑ってナメてしまします。
使いものになりませんね。

結果として100円ショップのものは応急的に使う分には使えますが、常時使うものとしては耐久性も低くオススメできません。
あくまでも応急用と割り切りましょう。

プロが使う工具って何が違うの?

プロであればあるほど工具にはこだわる人が多いです。
なぜプロはそれにこだわるのでしょうか?理由は簡単、いい仕事をするためです。

いい仕事をするためにはいいものをそろえておく、その心構えがプロとしての仕事への取り組み方であり、姿勢ではないでしょうか?
いいものを使えば作業性が良く、使いやすい。
ボルトを傷めることもなく時間の無駄もありません。それが、結果として作業効の向上や時間短縮になり、いい仕事につながるのです。

特にアメリカのメカニックは工具にとてもこだわります。
なぜならばアメリカのメカニックは医者と同じで、腕のあるメカニックに仕事がたくさん入る体制があるからです。

商売道具であり、商売道具を十分にそろえておくことで作業が早く進めばその分、信頼につながり、収入も増やすことができるのです。
病気やケガをした時には腕のある医者に診てもらいたいものです。
アメリカでは医者並みに稼ぐメカニックはたくさんいるのです。

いい工具とはなにか?
それは、使いやすく、作業性がいいものです。
また、作業性が良くなるように取りそろえて、いつでも使えるように準備できるもの。
腕のあるプロがいいものを使うのですから、素人が悪いものをつかていたら差がつくのは当たり前ですよね。

ですから、素人こそ工具にこだわるべきではないでしょうか。
いい工具は素人でも、その腕をカバーしてくれて、少しでもプロに近づくことができるのです。
工具にはそんな大きな魅力が隠されているのです。

ラチェットハンドルの詳しい解説

## ラチェットハンドルの概要

ラチェットハンドル(英: Ratchet Handle)は、工具セットやメカニックツールボックスに不可欠な多機能なハンドツールです。この記事では、ラチェットハンドルの詳細な説明と、その使用法について詳しく解説します。ラチェットハンドルは、プロのメカニックからDIY愛好者まで、幅広い用途で利用されており、その多彩な機能と操作性は作業の効率性を向上させます。

### ラチェットハンドルの基本構造

ラチェットハンドルの基本構造を理解することから始めましょう。以下は、ラチェットハンドルの主要な部品とその配置を示すテキストベースの説明です。

1. **ハンドル(Handle)**

ラチェットハンドルの中心的な部分で、操作者が握る部分です。ハンドルは快適なグリップを提供し、力をかけやすく設計されています。

2. **ラチェットメカニズム(Ratchet Mechanism)**

ハンドル内部に組み込まれたラチェットメカニズムは、ボルトやナットの締め付けや緩めに使用されます。このメカニズムは、特定の方向でのみ回転を許可するため、ボルトやナットの効率的な操作を可能にします。

3. **ソケット受け(Socket Receiver)**

ラチェットハンドルの先端にあるソケット受けは、ソケット(またはビット)を取り付ける部分です。ソケット受けは、操作力をボルトやナットに伝えるために使用されます。

4. **反転レバー(Reversing Lever)**

ハンドルの側面に配置された反転レバーは、回転の方向を変更するために使用されます。通常、右回りと左回りの2つの方向に切り替えることができます。

### ラチェットハンドルの動作原理

ラチェットハンドルの動作原理は、その効率的な操作を可能にする鍵です。以下は、ラチェットハンドルのラチェットメカニズムの動作原理の説明です。

1. **ハンドル**

ハンドルは、操作者が握り、回転を始める部分です。

2. **ラチェットメカニズム**

ハンドル内部にあるラチェットメカニズムは、歯車とバネで構成されています。ハンドルを回転させると、歯車が歯車の溝に噛み合い、回転が伝達されます。

3. **ソケット受け**

ハンドルの先端にあるソケット受けは、ソケットを取り付け、ボルトやナットに力を伝えます。ラチェットメカニズムにより、ソケットは一定の角度で回転します。

4. **反転レバー**

ハンドルの側面にある反転レバーは、ラチェットの回転方向を切り替えます。通常、右回りは締める方向で、左回りは緩める方向です。

### ラチェットハンドルの使用法

ラチェットハンドルの使用法は基本的ですが、正確さが求められます。以下は、ラチェットハンドルを使用する際の基本ステップの説明です。

1. **ソケットの選択**

作業対象のボルトやナットに適切なサイズのソケットを選択します。ソケットはソケット受けに差し込まれます。

2. **ソケットの取り付け**

選んだソケットをソケット受けに差し込みます。確実に取り付けられていることを確認します。

3. **ラチェットメカニズムの選択**

ラチェットハンドルの反転レバーを使用して、回転方向を選択します。通常、右回りは締める方向で、左回りは緩める方向です。

4. **ラチェット操作**

ハンドルを握り、ソケットをボルトやナットに設置します。ハンドルを回転させると、ラチェットメカニズムが作動し、ソケットは一定の角度で回転します。

5. **反転操作**

ラチェットハンドルの反転レバーを切り替えることで、逆の方向に回転できます。これにより、締め付けと緩め付けの作業が切り替えられます。

6. **作業の繰り返し**

ハンドルを回転させることで、ボルトやナットが締まったり緩んだりします。必要に応じて、操作を繰り返します。

### ラチェットハンドルの利点

ラチェットハンドルには、多くの利点があります。以下は、その主な利点の説明です。

1. **効率的な作業**

ラチェットハンドルは、ボルトやナットを素早く、かつ効率的に締めたり緩めたりするのに役立ちます。繰り返しの操作が容易で、作業効率が向上します。

2. **狭いスペースでの使用**

ニードルノーズデザインのハンドルは、狭いスペースや奥深い場所での作業に適しています。

3. **多用途性**

ラチェットハンドルは、さまざまなソケットやビットと組み合わせて使用でき、多様な作業に対応できます。

4. **安全性**

ラチェットメカニズムは、ボルトやナットに均等な圧力をかけ、滑りやすさを軽減します。これにより、作業中のけがのリスクが低減します。

5. **工具の交換が容易**

ソケットやビットは交換が容易で、さまざまなサイズやタイプに対応できます。

### ラチェットハンドルの注意点

ラチェットハンドルを安全かつ効果的に使用するために、いくつかの注意点があります。

1. **適切なソケットの選択**

ソケットのサイズを正確に選択し、適合しないソケットを使用しないようにします。

2. **正しい回転方向**

ラチェットメカニズムの回転方向を正確に切り替え、誤ってボルトを締めたり緩めたりしないようにします。

3. **安全なグリップ**

ハンドルのグリップ部分をしっかりと握り、滑り止めのあるハンドルを使用します。

4. **適切なトルク**

高トルクが必要な場合、トルクレンチなどの適切なツールを使用します。

5. **保管と保守**

ラチェットハンドルは適切に保管し、定期的なメンテナンスを行って長寿命を確保します。

これらの注意点を守りながら、ラチェットハンドルは、その多機能性と使いやすさから、工具ボックスに欠かせないアイテムの一つです。作業の効率を向上させ、精密な操作が可能となります。

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